研究シーズ集

複数のタンパク質の凝集抑制に効果を発揮するGIF化合物

ライフサイエンス(創薬)

研究者 高等研究院 科学研究基盤センター
鎌足雄司 助 教

研究概要

診療手段:医薬品、動物用医療
ステージ:in vivo 検証前
対象疾患:筋萎縮性側索硬化症(ALS)、プリオン病等の神経変性疾患
創薬(技術)コンセプト
我々は、岐阜大学発のオキシインドール化合物であるGIF化合物が、タンパク質凝集体と相互作用し、複数のタンパク質の凝集抑制に効果を発揮するという新たなカテゴリーの凝集抑制化合物であることを示しました。また、この化合物は、小胞体ストレス誘導によるタンパク質凝集を抑制し、さらに小胞体ストレス誘導細胞死を抑制することを示しました。複数のタンパク質の凝集抑制に効果を発揮する新たなカテゴリーの化合物として、ヒトや動物の神経変性疾患の治療薬を目指しています。

研究内容

期待される臨床における優越性(差別化点):
複数のタンパク質の凝集抑制に効果を発揮するという新たなカテゴリーの凝集抑制化合物であるため、共凝集系への適用、異なる作用機構で働く化合物との共用といった新たな用途が可能です。また最近、アルツハイマー病治療薬として抗アミロイドβプロトフィブリル抗体が承認されましたが、我々の化合物は低分子で複数のタンパク質の凝集抑制に効果を発揮するため、コストと適応範囲で大きなメリットを持ちます。
特許出願・代表論文: 1. 特願2021-154937: タンパク質凝集抑制剤, 2. Kimura et al., BBA – General Subjects, 1866, 130114 (2022),3. Hasegawa et al., ACS Chem. Neurosci., 13, 1055-1064 (2022)

活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど

タンパク質凝集において、あるタンパク質の凝集体が別のタンパク質の凝集の引き金となる共凝集という現象が知られています。複数のタンパク質の凝集抑制効果を持つGIF化合物は、こうした共凝集系に対してより効果的であることが期待されます。それゆえ、複数の神経変性疾患克服のための大きな重要な可能性を秘めていると言えます。

資料・ポスター

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キーワード

神経変性疾患、タンパク質凝集抑制、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、プリオン病、共凝集、小胞体ストレス抑制

出展した展示会

  • イノベーションジャパン2023

関連論文名

Kimura et al., BBA – General Subjects, 1866, 130114 (2022)、Hasegawa et al., ACS Chem. Neurosci., 13, 1055-1064 (2022)