研究シーズ集

低損失及び高推力/トルク密度を実現する直動/回転モータの開発

ものづくり(ロボット)

研究者 工学部 機械工学科 知能機械コース
八田禎之 助 教

研究概要

本モータはロボットの小型化及び低損失化を目的に開発が行われています。本モータは一台で直動モータ及び回転モータの動作を実現可能です。このため、ロボットに搭載されるモータの台数を削減し、モータの小型化に貢献可能です。また、減速機とボールねじを永久磁石で再現した磁気ギアと磁気ねじを融合した磁気ギアードスクリュー構造を適用することにより大きな推力及びトルクを発生可能であると共に、ボールねじのスクリューとナットに相当する部品が磁気による非接触結合のため、低摩擦を実現します。

研究内容

(1)磁気ねじ型二自由度モータ

 ・特長:高推力 (可動子と回転子が磁気ねじに基づいた構造により,可動子において大きな推力を発生可能)
     低損失 (ボールねじのスクリュー・ナットと比較して,回転子と可動子が磁気により非接触で結合されているため低摩擦)
 ・構成:回転モータ,右ねじの磁気ねじ(※1) ,左ねじの磁気ねじの組み合わせ
     回転子の磁石配置がナットのネジ山を再現し,可動子の磁石配置がスクリューのネジ山を再現することによって磁気ねじが
     構成される。可動子ではN極S極がθ方向及びz方向において交互に配置されることにより,右ねじのスクリューと左ねじの
     スクリューの両方を表現する。
     (※1) 磁気ねじとは,ボールねじのスクリューとナットを永久磁石によって構成したトランスミッション
(2)磁気ギアードスクリュー型二自由度モータ
 ・特長:「高推力」・「低損失」だけでなく「高トルク」(磁気ギアードスクリューの磁気ギア要素により,可動子において大きな
     トルクを発生可能)
 ・構成:磁気ギア(※2)と磁気ねじを融合したトランスミッション
     右ねじ型磁気ギアードスクリューでは,回転子に入力されたトルクが磁気ギア要素によって増幅され,右ねじ型磁気ねじ
     要素によって左らせん方向の力に変換。一方,左ねじ型磁気ギアードスクリューでは右らせん方向の力に変換される。
     磁気ギアードスクリュー型二自由度モータは,回転モータ,右ねじ型磁気ギアードスクリュー,左ねじ型磁気ギアード
     スクリューを組み合わせ,可動子に右らせん方向の力および左らせん方向の力を発生させる。その二方向の力を組み合わせる
     ことにより,直動および回転が可能である。

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活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど

本モータは、活用先として手先に直動機構及び回転機構を有するスカラロボットだけでなく、工作機械,ロボットに装着するツール(エンドエフェクタ)及びハンド工具等も予想できます。従って,モータだけでなくその適用先として幅広い産業分野が市場として期待できます。これらの装置において、小型化及び省エネルギー化に貢献でき、直動機構及び回転機構を一体化して部品数を削減することによりメンテナンス性向上を目指します。

資料・ポスター

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キーワード

モータ,アクチュエータ,直動回転,ロボットシリンダ,高推力,高トルク,高出力,小型化,省エネルギー,低摩擦,磁気ねじ,磁気ギア,磁気ギアードスクリュー

出展した展示会

  • イノベーションジャパン2024