人工知能研究推進センターにおける研究 -機械学習、深層学習分野-
ものづくり(情報・電気)
研究者 |
工学部 電気電子・情報工学科 加藤邦人 等 教授 |
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研究概要
機械学習、特に深層学習(ディープラーニング)は、最近のAIブームの中核となる学習、認識技術です。その進歩のスピードはめざましく、最新の手法が数ヶ月で陳腐化してしまう場合もあるほど、日々ブレイクスルーが起き続けています。この世界のスピードに付いていくことは容易ではありませんが、私は逆にチャンスだと考えています。あまりに速すぎる進歩に権威ある紙媒体の論文誌や世界のトップカンファレンスですら速報性を失い、最新技術は即座にインターネット上で公開されます。以前は最新情報に触れられるのは大都市圏ほど有利でしたが、すべてがインターネット上で行われる今、世界中どこにいてもいつでも、即座に最新情報にアクセスできます。岐阜大学から世界一を出すことも全く不可能ではありません。人工知能研究推進センターでは、機械学習、深層学習の基礎から最新技術の講習や研究会の開催、研究グループ形成を支援いたします。
研究内容
深層学習を用いた物体の理解、認識や、異常検知、ニューラルネットワークの設計、自動生成などの基礎理論から、自動運転技術、工場での外観検査、ユーザインタフェースへの応用など広く研究を行っています。今回は、以下の2つの研究事例について紹介いたします。
深層学習によるセマンティックセグメンテーション
画像中からある物体を検出し、その領域を切り出す処理をセグメンテーションといいます。セマンティックセグメンテーションは、さらに各パーツまで認識し識別を行う処理です。私達の研究室では、人の顔の詳細なパーツ検出、人体パーツのセマンティックセグメンテーションから、時系列情報を利用し過去の情報から白線が消えていても白線検出を実現するセマンティックセグメンテーション手法を開発しました。
深層学習による異常検知
工場での画像認識を用いた外観検査などでは深層学習の期待が高まっています。しかし、工場の外観検査に深層学習を応用する場合、不良のデータサンプルが入手できないという問題があります。そこで、正常な学習サンプルから正常の状態を定義し、不良を検出する異常検知の手法が古くから取られてきました。しかし、深層学習での異常検知はまだ発展途上です。私達の研究室では、多量の正常サンプルと少量の不良サンプルから正常の確率分布を学習させ、異常を検知するニューラルネットワークを開発しました。この成果は、従来の画像処理技術を用いた外観検査装置から飛躍的な検査性能を実現しました。
資料・ポスター
キーワード
機械学習、深層学習、ディープラーニング、AI、人工知能研究センター
出展した展示会
- メッセなごや2019