劣化太陽電池の高速回復技術
環境・エネルギー(エネルギー)
研究者 |
工学部 電気電子・情報工学科 吉田弘樹 教授 |
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研究概要
太陽電池システムの大型化と安価なトランスレスインバーターの普及で,電圧誘起劣化現象(PID: Potential Induced Degradation)によってシャント抵抗値が小さくなり,太陽電池の出力が低下する問題が生じています。従来技術ではシャント抵抗の回復に数時間要していましたが,本技術では大幅に短時間で回復できます。
- 光照射による回復: 数10分
- 電流パルスによる回復: 数秒(~ 80%の回復)
- 電圧パルスによる回復: 10秒程度(~100%の回復)
研究内容
(1)回復技術1(光照射)
太陽電地モジュール外部から,高出力LEDを照射しながら高電圧を印加する回復方法です。屋外でも実施可能です。(特願2016- 56313)
(2)回復技術2(電流パルス)
電流パルスを断続的に流すことで回復する技術です。保護ダイオードを一時的に外して実施し,数秒で〜80%の回復します。(特願2017- 36400)
(3)回復技術3(電圧パルス)
電圧パルスを断続的に流すことで回復する技術です。保護ダイオードを一時的に外して実施し,数10秒で〜100%回復します。
(4)関連技術(劣化箇所の特定)
従来よりEL: Electroluminescence法がよく用いられています(図a)。それに比べてより劣化箇所を特定し易い方法として,サーモグラフィ法(図b)と逆バイアスEL法(図c)を開発しました。いずれも,劣化部に電流を集中させることで,局所的な特定を実現しています。
活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど
- 電圧誘起劣化した太陽電地モジュールの屋内/屋外での高速な回復
- 劣化した太陽電地モジュール/セルの評価・解析・分別
資料・ポスター
キーワード
太陽電池、回復技術、電圧誘起劣化現象、シャント抵抗
出展した展示会
- イノベーションジャパン2017