細胞外小胞の薬物送達システムへの応用
ライフサイエンス(医療・福祉)
研究者 |
工学部 化学・生命工学科 生命化学コース 竹森洋 教 授 |
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研究概要
細胞外小胞(EVs)の利用に薬物送達システム(DDS)が提案される中で、市販のEVs染色剤は体内で他の小胞へ転移することで体内動態を評価できません。今回、EVsを特異的にラベルする蛍光化合物を利用して血液0.1μL でEVsの体内動態の評価を可能としました。これまでのDDSはウイルス、合成脂質などヒト免疫反応を過剰に活性化させ副反応を誘導しますが、岐阜大学では牛乳・乳酸菌由来のEVsを活用して副反応を抑えたキャリアの開発を進める一方、平行して、EVsに物質を積載させる物性ルールも検討しています。
研究内容
分子量>800の中分子から、ペプチド・遺伝子を送達させます。加えて、免疫抑制の特徴を活かした皮膚・消化管などの上皮系組織で抗炎症作用を発揮させます。将来は抗体を載せることで細胞特性を発揮させます。また、EVsの1分子計測のみならず、培養液中のEVsを未精製でサイズと個数を算出できることから、EVsの基礎研究から品質管理用の試薬としての活用も期待できます。
活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど
細胞外小胞(EVs)を簡易に定量する世界初のHPLC技術を活かして、食品用 微生物・植物を中心に大量調整可能なEVs関連商品の開発を展開します。
主に、免疫活性化・抑制を指標に「活きて全身に届くEVs」の開発を目指します。既存食品の改良ですので、化粧品開発にも適しています(実験動物の安全性試験不要)。
資料・ポスター
キーワード
エクソソーム、細胞外小胞(EVs) 、薬物送達システム (DDS)、体内動態、免疫抑制、ラベリング剤、創薬素材、遺伝子導入
出展した展示会
- イノベーションジャパン2024