エールビール醸造に向けた野生酵母の開発
ライフサイエンス(アグリ・食品)
| 研究者 |
応用生物科学部 食農生命科学科 中川智行 教 授 |
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研究概要
岐阜大学では大学ブランド「岐阜大酒」の開発を目的に,新奇な産業用酵母の開発を岐阜県食品科学研究所との共同研究にて行ってきました。
今回,岐阜県立加茂農林高校との共同研究から,エールビール醸造に向けた新たな野生酵母の単離と新たなエールビールの開発について解説します。
研究内容
一般的に,ビール醸造の原材料である麦汁の糖組成は、マルトースが6割,グルコースが2割,マルトトリオースが2割である。
よって,エールビール醸造では,エール酵母のマルトースとマルトトリオースの資化能力が重要な鍵となります。
これまで単離した野生酵母ではマルトースとマルトトリオースをしかできる酵母は限られており,これらのうち、マルトトリオースを発酵できるKN-17株に着目をした。
加茂農林高校にて桜から単離したKN-17株は,遺伝系統的に清酒酵母系列とは異なるバックグランドをもち,マルトースおよびマルトトリオースに対する高い発酵能力を示しました。
これまで,KN-17株を用いたパン発酵実績もあります。


活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど
単離したKN-17株を用いて,カマドフリュワリー様にてエールビール「WILD MAGIC Vol. 1-CHERRY BLOSSOM PETALS」を開発,販売しました。


資料・ポスター
キーワード
食品微生物、分子生物、産業用酵素、ビール酵母
出展した展示会
- FOOD STYLE2025(発酵食品ワールド)
