研究シーズ集

ヒト腸内細菌培養モデルを用いた食素材の評価

ライフサイエンス(アグリ・食品)

研究者 応用生物科学部 応用生命科学課程 食品生命科学コース
稲垣瑞穂 准教授

研究概要

・疾病と腸内細菌の関連を指摘する報告が相次いでいます。
・糞便を嫌気培養することで、糞便提供者の腸内細菌のバランスや代謝産物を模擬します。
 このin vitro培養系を用い、食素材が個人の腸内細菌および腸内環境に与える直接的な影響を評価します。
・個人の腸内環境に応じた対応(個別化)の実現をめざします。

研究内容

(1)これからの腸内細菌研究
  次世代シーケンサーの誕生により、腸内細菌叢が短時間で網羅的に解析できるようになりました。
  その後「腸内細菌叢・腸内環境をどのように制御するか」に少しずつシフトしています。
  制御の方法を探るには、腸内細菌叢の動態を理解することが肝要です。 
(2)腸内細菌を培養する
  腸内細菌は嫌気性であることから、一般的にジャーファーメンターが用いられます。
  当研究室では24ウェルプレート、アネロパウチ、培養シェーカーを用いた1mLスケールの培養も行っています。
  これにより多検体を一度に培養することができます。
(3)ひとりひとりの腸内環境への影響が推測できる
  A) 嫌気環境で培養します。
  B) 培養液のpH変化を観察することで、腸内発酵の進み具合を把握します。合わせて、食素材を入れた培養と
    比較することで、食素材の発酵への影響を調べることができます。
  C) 腸内細菌叢による短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸)*の産生量を調査します。 
     *短鎖脂肪酸:宿主の健康に重要と言われている成分です。
  D) 培養液に含まれる細菌叢を解析します。

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活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど

活用分野:  食素材・サプリメント・医薬品の開発
用途・応用例:腸内環境への影響評価・安全性試験
       個人の腸内環境の特徴づけ

資料・ポスター

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キーワード

腸内細菌健全化、体質改善、未病対策、食品素材、サプリメント、医薬品の開発、既存の医薬品・農薬などの安全性評価

出展した展示会

  • 岐阜地域産学官連携交流会2023