研究シーズ集

植物ポリフェノールを化学から読み解く~構造解析及び化学安定性に関する研究~

ライフサイエンス(アグリ・食品)

研究者 応用生物科学部 応用生命科学課程 分子生命科学コース
柳瀬笑子 教授

研究概要

ポリフェノール類は機能性物質として注目されていますが、その量は容易に変動します。我々は、植物から様々な物質の分離、構造決定、定量及びその化学的安定性について研究を行っています。この技術は近年、機能性食品表示等で求められる食品の機能性や安全性に関する情報の提供に役立ちます。

研究内容

(1)食品、和漢薬の薬理活性成分の分離精製

薬品、食品等の研究分野で、薬理活性物質の分析、分離精製技術はその根幹を成す基本技術です。我々は、天然物中の新規機能性成分の単離構造決定やその大量調製法、定量法の開発を行っています。

(2)機能性成分の経時的変化

機能性成分、特にポリフェノールは植物の生育条件や収穫後の保存期間、さらに食品加工中にその量や化学構造が容易に変化することが知られています。
①茶製造時におけるカテキン類の変化に関する化学的研究: 紅茶、烏龍茶などの発酵茶は緑茶と同じ”茶の木“の葉から製造されますが、製造中にカテキン類が大きく変化します。新たなポリフェノール類は機能性が注目されています。
②食品保存中の成分変化: 赤米は長期間保存するとより赤くなることが観察されていますが,その理由は分かっていません。我々はこの変化を化学の立場から明らかにすることを目指しています。その成果は、鮮度マーカーとしての利用が期待できます。
③生育環境の機能性成分含量への影響: 植物の機能性成分はその生育環境により容易に変化します。この性質を利用して、野菜中の機能性成分を増強する手法の開発を目指しています。

049_naiyou1.jpg

049_naiyou2.jpg

活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど

食品、化粧品、医薬品分野
薬用植物、食品中などにおける機能性成分の同定、定量
廃棄物等未利用資源中の機能性成分の探索、利用法の提案など
応用例:野菜中における機能性成分の高含量化による高付加価値化

資料・ポスター

ダウンロード

キーワード

ポリフェノール、薬理活性成分の分離精製、機能性成分の経時的変化

出展した展示会

  • 産学連携フェア2018