ポリフェノールの多種多様な生理活性と作用のメカニズムの解明、化粧品、医薬品等への応用
ライフサイエンス(アグリ・食品)
研究者 |
応用生物科学部 応用生命科学課程 分子生命科学コース 山内恒生 助教 |
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研究概要
ポリフェノールの多種多様な構造と生理活性、及びそれらの作用メカニズムの解明を目指して研究を行っています。これまでに、様々なポリフェノールをインドネシア産薬用植物から取り出し、類似化合物を合成してきました。ポリフェノールの一種であるフラボノイドが、メラニン生成をコントロールしたり癌転移を抑制したりする可能性が示されました。現在はこれらのフラボノイドが細胞内でどの様に作用しているのかを探っています。
研究内容
(1)インドネシア産薬用植物からメラニン生成を制御する化合物を発見
インドネシアの貴重な薬用植物からメラニン生成を抑制するポリフェノールであるウゴニン類と、逆に促進するクェルセチン配糖体を取り出しました。さらに類似化合物を合成し、より活性の強いメチルクェルセチンの合成に成功しました。ウゴニン類は現在広く化粧品として用いられている、アルブチンの数十倍活性が強く、美白剤としての応用が期待されます。また、メラニン生産を促進する化合物は白髪予防剤や白斑病の治療薬に利用することができるのではないかと考えています。
(2)メチルクェルセチンの癌転移抑制及び、神経細胞活性化効果
メラニン生成を促進したメチルクェルセチンは、癌の転移を抑制する活性と、神経細胞を活性化する効果があることがわかりました。今後は、様々な作用を示すこの様なポリフェノールが、どの様に細胞内のタンパク質に作用しているのかを探ると共に、動物実験などで効果をさらに確かめていく予定です。
活用分野・用途・応用例・商品例・事業化のイメージなど
天然から取り出し、あるいは合成したポリフェノールと相互作用するタンパク質が特定されれば、癌細胞に限らず、これまで謎に包まれていた、ポリフェノールの生物活性の核心的な作用メカニズムに迫ることができると期待しています。また動物を用いた応用試験により、これらのポリフェノール及び研究技術が化粧品、医薬品、機能性食品に応用できるのではないかと考えています。
資料・ポスター
キーワード
ポリフェノール、生理活性、作用芽カニ済み、フラボノイド、メラニン生成、がん転移
出展した展示会
- アグリビジネス創出フェア2019
- アグリビジネス創出フェアin東海2019
- 産学連携フェア2018