Vol.64(2018年5月)
- 産官学連携推進本部 平成30年度に向けて
- 産官学連携推進本部 新体制 始動
- 岐阜大学スマート金型開発拠点事業
特集1:産官学連携推進本部 平成30年度に向けて
平成16年の国立大学法人化を契機に、産学連携活動が大学の社会貢献の大きな要素の一つとして広く認識され、産学共同研究の件数が飛躍的に増加してきました。本学も地方国立大学のトップランナーに相応しい活動を展開し、地域の中核企業との技術交流を推し進め、地域の技術力の向上に努めてまいりました。それから十数年が経ち、社会・経済の構造変化が加速されていく中において、産学連携活動も今まで以上の迅速性と多様性が求められています。日本再興戦略2016にあるように、2025年度までに大学等に対する企業の投資額を2016年度比で3倍とすることを目指し、産学共同研究の大型化によるイノベーションの創出活動が本格化しています。本学においても昨年度に「組織」対「組織」の関係の下での本格的な共同研究を実施する場を提供するために、「共同研究講座」制度を制定しました。本学初の共同研究講座として三菱重工サーマルシステムズ(株)と 「スマートグリッド電力制御工学共同研究講座」を本年の4月に設置し、ビル空調電力のスマートグリッド研究の実用化を目指すことにしています。さらに、本特集にあるように、地域科学技術実証拠点整備事業に採択された「岐阜大学スマート金型開発拠点」において、複数の共同研究講座が設置されています。異業種の複数の企業が一つの屋根の下に集い、研究グループを組んでIoT技術を活用した新たなものづくり技術を開発し、生産年齢人口減少社会におけるものづくりの未来像の構築に乗り出しています。
特集2:岐阜大学スマート金型 開発拠点事業
~生産人口減少社会に向けた「スマート生産システム」の開発~
我が国の生産年齢人口が減少する中で、地域経済が成長するためには、高効率な生産システムの開発が求められています。自動車はじめ製造企業の世界的集積地である東海地域は、すそ野の広いサポーティングインダストリーによって支えられ、特に金型分野の研究基盤を持つ岐阜大学は、産業界と協働して研究、技術開発を進めています。 本拠点では、岐阜大学と企業、公的研究機関が協働して、金型、プレス成形機、射出成形機等のスマート化を図り、これらをIoTプラットフォームに連結、成形不良の予兆を捉え自律的に成形や加工条件を調整するスマート生産システムを世界に先駆けて事業化し、地域製造業の競争力を飛躍的に向上させることを目指します。