G-NICE特集記事一覧

vol.77(2022年1月)

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特集

  • 独自の局地気象予報システムの開発とその活用
  • One healthを担う獣医学(企業の皆様に岐阜大学獣医学科の研究を役立てていただくために)

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特集1:独自の局地気象予報システムの開発とその活用

岐阜大学工学部附属応用気象研究センター センター長・准教授 吉野 純

大気海洋研究部門の吉野純准教授らは、流体力学的予報と統計学的予報を融合してこれまでにない1日前の高精度な豪雨発生予報の実現を目指す「局地気象エミュレータ」を開発しています。具体的には、現在気候下の仮想的な10,000年分の流体力学的予報データ(d4PDF:アンサンブル気候予測データベース)の中から、岐阜県における豪雨発生24時間前の気圧、降水量、湿度といった様々な天気図を抽出し、機械学習に入力する学習データとします。そして、AI技術(CNN:畳み込みニューラルネットワーク)により岐阜県内の10,000年の中の5年に1回の豪雨事例から豪雨発生の有無の判別を行う統計学的予報モデル「局地気象エミュレータ」のプロトタイプを構築しています。

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特集2:One healthを担う獣医学(企業の皆様に岐阜大学獣医学科の研究を役立てていただくために)

岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科獣医臨床繁殖学分野 准教授 髙須 正規

マイクロミニピッグを飼育し、生殖発生工学研究を進めていくうえで、私たちには3つのアドバンテージがあります。1つ目は、獣医学的な視点をもって動物を飼っていることです。適切に動物を飼育することは、信頼性のある実験結果を得ることにつながります。2つめは、CTやMRIといった附属動物病院の大型機器を研究や開発に使用できることです。ヒトの医療で使われる機器と同じ機器をつかった動物実験を実施できる機関は国内にほとんどありません。3つ目は、多様な連携可能性があることです。獣医学科内にも様々な研究者がいるだけでなく、学内の医学部や工学部、さらには薬科大、名古屋大学との連携が容易な環境があります。

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