Vol.52(2015年4月)
- 地域防災力の強化を目指す
~清流の国ぎふ防災・減災センター~ - 研究シーズ
1.3-IR照度差ステレオカメラによる嚥下運動計測システム
2.医療ビッグデータの活用と社会貢献に向けて
特集1:地域防災力の強化を目指す
岐阜県は地震災害・風水害・土砂災害・火山災害など、様々な自然災害リスクに直面しています。自然災害による被害を効果的に減らす手段としては、ハード・ソフト面、自助・共助・公助、未然防止・拡大防止・早期復旧、ヒト・モノ・コトなど、多面的なアプローチからの対策が必要であり、それらをバランスよく進めることが重要です。岐阜大学は岐阜県の防災・減災に寄与できる多彩な顔ぶれの研究者を擁しており、各分野で優れた研究シーズや地域連携活動のポテンシャルを持っています。当センターではそれらを結集し、岐阜県との連携の下で岐阜県特有の自然環境・社会情勢を踏まえた実践的研究と実践的活動を展開することによって、地域の防災・減災ニーズにこたえることを目指します。
県民の安全・安心は、究極には一人ひとりが防災力を身に着けることによってもたらされますが、地域の防災力を効率よく高めるためには、主導的役割を果たす防災リーダーを養成することや、専門職員や将来を担う若い世代の防災教育を推進することが欠かせません。センターではこうした人材育成の仕組み構築とその地域実装に力を入れていきます。また、災害ハザードマップや災害対策に関して積極的に情報発信するとともに、啓発口座を通じて県民が災害を正しく知り、正しく恐れ、正しく備えることを目指します。さらに、県内の市町村や企業、医療機関などに対しては、実効性の高い災害対策を策定・推進できるよう、技術的支援や助言を行いたいと考えています。
地域貢献は岐阜大学が果たすべき重要な役割の一つです。当センターは、防災・減災面で、構成員が高度な専門知識を生かし、研究活動の社会還元や地域活動を通じてその責務を果たす場として位置づけられます。地域減災研究センターが地域のシンクタンク機能を担い、その成果が短期的~長期的に地域防災力の向上という形で実を結ぶことを願っています。


特集3:岐阜大学を知る
地域の救急医療を担う 高次救命治療センター
高次救命医療センターは、急性期重症患者の治療に当たる岐阜大学医学部附属病院の中央診療部です。病院内外で発生する重症患者、他の医療機関・救急救命センターで対処できない高度な治療を必要とする患者に対して、24時間体制で総合的、集学的な高度な診断・治療を行っています。外相治療を最も重要な疾患として治療に当たっており、防ぎ得た外傷死が0%であり、外相学会専門医施設の中でも極めて優れた水準にあります。外相患者の死亡を減らす為には、搬送体制の整備も大きな問題です。重症傷病者では、1時間以内に根本的な治療が開始されることが救命率を高めることと大きな相関があるとされていますが、その治療開始までの時間の短縮にはヘリコプターの活用が極めて有効であることが認識されています。岐阜大学は岐阜県と協定を結んで、消防防災ヘリを用いた岐阜型ドクターヘリを展開しています。
ドクターヘリって?.pdf


