人工筋肉膝サポーターの研究開発

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人工筋肉膝サポーター

株式会社タナック

本社:岐阜市元町4丁目24番地 資本金:3,000万円 従業員:38名

岐阜大学 工学部
松下光次郎 助教

共同研究にいたったきっかけ

株式会社タナック:元々岐阜大学とは、医療関係製品でのつながりがありました。新たにサポーターの企画をスタート、サンプルができた段階でサポーターの評価・効果の数値化をしたかったのですが、誰に相談すればよいのかわからず、路頭に迷っていました。そこで産学連携コーディネーターに相談したところ、適任の先生がお見えになるとのことで松下先生をご紹介頂きました。(「産学連携経験者インタビュー」より転用)

共同研究の内容・成果

株式会社タナック:弊社のオリジナル素材「タフシロン」(シリコーン)を筋肉に沿って配置加工したサポーター「人工筋肉膝サポーター」の評価を行いました。性能評価の結果、タナックの2種類の製品はいずれも特徴的な弾力性能が確認されました。以下、定量的評価に基づく歩行時の効果の推測です。

①他のサポーターと比較し膝曲げが少ない部分からのサポート力が大きい、具体的には「直立姿勢で膝伸展を保持しやすい」、「歩行の際、着地前の膝伸展をサポートするので、足運びにおいて膝を伸ばした状態のスムーズな着地をうながしやすい」。
②膝の屈曲角度90度付近でサポート力の強さが一定になる、具体的には「膝を大きく曲げた状態のとき比例的な大きな回転負荷力がかからないため座りやすい」。

ご担当者のコメント:株式会社タナック 営業開発部 杉山順司様

松下先生は、医学部での所属経歴をお持ちで、身体のことにも理解があり、かつ専門の測定に関しても深い知見をお持ちで大いに助けて頂きました。とても柔軟なご発想で先手先手のご対応を頂き、測定冶具も3Dプリンターで自ら作成と大変お世話になりました。引き続き、弊社の新商品の評価もお願いできれば幸いと思っております。

岐阜大学 工学部 松下光次郎 助教

私は、タナック社オリジナルヘルスケア商品「膝サポータ」の評価に関する共同研究を行っています。膝サポータは健康衣料に分類されますが、これまで健康衣料はアンケートによる使用者の感覚的な評価が主流であり、定量的に示す評価法がほぼ存在しない状態でした。そこで先行研究で培った歩行計測・解析技術と歩行ロボット開発技術を組合せ、ヒト身体を模倣したモデルに基づく膝サポータ評価装置を開発,タナック社製膝サポータの特徴を定量的に明らかにすることに成功しました。このような健康衣料の定量的評価法は、今後の繊維・アパレル産業にとって重要技術となり得ますので、引き続き様々な健康衣料評価に挑戦し、岐阜繊維・アパレル産業の活性化に貢献したいと考えております。

メディア掲載

▽新聞掲載:朝日新聞 岐阜版 2017年5月31日 / 日本経済新聞 キャンパス発この一品 2017年4月26日 / 日経MJ 新製品紹介 2017年4月3日 / 岐阜新聞 岐阜経済 2017年2月15日 / 日本経済新聞 web 2017年2月11日