人と住まいを守る減震装置の研究開発

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減震装置「ゆめまる君」

有限会社夢家族 エネルギー研究所

本社:岐阜県 羽島市

岐阜大学 情報連携総括本部
村上茂之教授

共同研究にいたったきっかけ

阪神淡路大震災をきっかけに、かつて建築業を営んでいた経験から、建築の知識を地震対策に生かそうと、既存住宅に容易、安価に施工することができる減震装置の開発に着手。地震エネルギーを軽減させる装置を発案し、地元の大学の力を是非借りたいと岐阜大学へ相談、村上茂之准教授との共同研究が始まった。

共同研究の内容

開発した装置は細長い弓形のアンカーボルトで、建物の基礎と土台の外側に取り付けるもの。 弓形にたわんだ部分が可動域となり、地震の際、基礎と土台が振動に合わせて前後左右に動き、家屋に伝わる揺れを和らげるという仕組み。 この弓形の器具の静的載荷試験を岐阜大学との共同研究で行い、愛知工業大学耐震実験センターの上下水平動加振振動台において、阪神淡路大震災の地震波による振動実験を経て、改良を重ねた結果、耐震・免震両面の効果を発揮する減震装置の開発に至った。

成果

減震装置及びその設置方法で特許を取得し、「ゆめまる君」として商品化。主に一般住宅向けに、引っ越し不要で工期が短く、安価な費用を設定したことから、岐阜県内の幼稚園での施工をはじめ、14件の施工実績を有する。

有限会社夢家族 エネルギー研究所 高木所長

我々のような無名の小さな会社にとって、地元の大学との共同研究で得られた試験や評価というものが開発商品の信頼性の向上に非常に役立ったのではないかと思います。また、村上茂之准教授のネットワークから他大学の協力も得られ、コーディネーターには高専や他機関の研究者も紹介いただき、様々な角度から開発製品に関する指導・助言をいただくことができました。