�名従来の線形秘密分散法では困難とされるシェアに対する改ざんを検出するための情報源の符号化法 暗号や符号、実験計画などの工学的応用に内在する離散構造のモデル化とその存在性、および構成法に関する研究を行う。効率的かつ偏りのない実験計画の考案や、ブロックチェーンを用いたセキュアなデータ管理など、代数や整数論と、デザイン理論を融合した基礎理論から、暗号や符号等の工学的応用までを研究対象とする。現在取り組んでいる代数的操作検出符号の研究では、最適な符号が存在するための必要条件の十分性について、その数学的証明(理論的裏付け)を与えることを目指している。RESEARCH CONTENT OF MEMBERS92PROJECT No.37KEY WORDS人工DNA/ゲノム解析/農作物/符号理論/実験計画/情報通信/人工知能/トレーサビリティ/流通工学部電気電子・情報工学科人工知能研究推進センター原 武史教授名古屋大学工学研究科路 姍講師大学院医学系研究科生命秩序学講座永井 淳研究員工学部電気電子情報工学科三嶋 美和子教授工学部電気電子情報工学科寺田 和憲教授メンバー高速で低遅延な大規模ランダム通信システム(IoT通信の一例)の構築 情報通信と数理科学の融合分野に高速で低遅延な大規模ランダム通信システム(IoT通信の一例)の構築を目指す。独創的な研究ポイントは、情報理論に基づいた統計的手法を使用して通信モデルの入出力の特徴を抽出し、モデルの再構成により性能の最適化することである。繰り返し深層学習ネットワークを提案し、モデルの情報量を分析することで高速で低遅延な通信システムを実現した。深層学習と情報理論技術を活用することで、システム品質の最適化やネルギー消費量の最適化に関する共同研究が期待される。シングルセルゲノミクス技術を利用した混合試料からの個人識別法の開発 DNA多型の法医学的利用に関する種々の研究を行っている。中でも複数の人物由来の血液や細胞等が混在する試料を対象としたシングルセルゲノム解析による個々の人物特定に関する研究は、従来の統計学的手法を用いた解析法とは異なる視点からの新たな取り組みであり、鑑定実務への利用に向けて大きな成果を上げつつある。本プロジェクトでは、それらの成果を活用し、人工DNAの合成とそのMixtureの生成、効率的なDNA解析法の構築を行い、農作物の流通・追跡等への貢献を目指す。大規模検体・複雑システムの異常原因特定技術における数理モデル構築とアルゴリズム開発 ゲノム解析を代表とした生命科学実験において、数千から数万規模の検体の中から少数の陽性検体を効率よく検出するための技術や、大規模組み込みシステムにおいて構成要素間の相互作用によって生じる故障の原因推定手法、およびそれらに関連する数理モデルとアルゴリズムの研究を行う。離散数学・代数学・統計学等を用いた数理的解析から大規模コンピューターシミュレーション・論理的AI推論まで幅広い手法を駆使して、検出技術に内在する数理構造と計算の限界の解明を取り組んでいる。数理・情報科学の力を活用することで社会基盤・産業の効率化の実現を目指す。工学部電気電子情報工学科盧 暁南准教授人の認知する概念のAI化による作業効率の改善 認知科学、特に社会的知能を情報学の観点から解明し応用する研究に従事。人とより良く関われるAIや、人の行動を改善するAIの開発により持続可能なAI社会の研究を行う。人が持つ概念や行動モデルを解明し、AIに持たせる研究により、より深いAIを実現する。ロボットと人とのインタラクション、匠の技の解析、製品開発やサービスの改善の研究によって目標とする社会の実現を目指す。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究深層学習による高度AI医療の実現 深層学習を用いレントゲン画像やCT画像からの臓器の検出や、AIによる読影技術など医用画像認識の研究を行う。医用画像診断に関わる、小型で高速な深層学習モデルの開発により、省力化を行う。過去に開発した「乳癌検診のスクリーニング」は製品化され、現在でも使用されている。近年は、免疫療法などにおいてゲノム解析が治療方針の決定に重要な役割を果たすため、それら分野へのAI技術の導入に積極的に取り組んでいる。
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