91PROJECT No.37PROJECT NAMEゲノムと情報学による新しい農作物管理・流通社会の実現KEY WORDS人工DNA/ゲノム解析/農作物/符号理論/実験計画/情報通信/人工知能/トレーサビリティ/流通MESSAGE FROM THE PROJECT LEADER原 武史教授工学部電気電子・情報工学科人工知能研究推進センター ゲノム研究は、遺伝子(DNA)合成装置の発達と次世代シーケンサーの登場によって多くの研究者が取り組む課題になってきました。特に、DNAの合成は、ATCGの組み合わせから自由な塩基長で製作できるようになりました。これは、150塩基長で設計すれば、生体に無害であるユニークな識別子を10の90乗個を超える数だけ自由に製作できることを意味します。この設計デザインは、ゲノム研究と情報符号化、暗号技術、実験計画法といった情報学分野の研究とが深く結合する新しい分野です。われわれは、法医学分野で培われたリアルなゲノム解析関連の成果と、情報学・AI技術を融合した新しい人工DNA作成法とその活用法を探索します。その応用例として、「DNAふりかけ」による農作物の追跡法を開発します。この成果は、岐阜県内で生産される「柿」「いちご」といった高付加価値農作物の盗難抑止や経路特定に利用でき、生産者や流通業者との連携によって、県内生産品の価値の維持・向上を実現します。
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