地域創生プロジェクト
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�名メンバー地殻変動に基づく地震ポテンシャル評価と情報発信 私は、GNSSなどの宇宙測地技術を用いた地殻変動観測に基づいて将来の地震発生可能性の評価を試みるとともに、そうした将来の地震活動に関する情報をどうしたらうまく社会に伝えて利活用できるかについて研究しています。大地震は甚大な被害をもたらしますが、非常に稀な現象であるため、その可能性を正しく理解するのは難しいです。日本列島の地殻変動が示す危険性をミリメートルレベルの測地観測で可視化することを通して正しい理解の普及を目指しています。RESEARCH CONTENT OF MEMBERS88PROJECT No.35KEY WORDS活断層/トレンチ調査/長期評価/地震発生確率/断層破砕帯/変形構造/地殻変動/GPS観測/ひずみ集中帯/深部地盤/浅部地盤/地震動予測/地震ハザード評価/地震リスク評価/被害想定/地震防災対策名古屋大学減災連携研究センター鈴木 康弘教授流域圏科学研究センター地域減災研究センター久世 益充准教授工学部社会基盤工学科地域減災研究センター大谷 具幸教授工学部社会基盤工学科地域減災研究センター能島 暢呂教授名古屋大学減災連携研究センター鷺谷 威教授活断層調査を活かした地震動予測 私は、地震動予測に関連した研究や、予測に必要な地盤情報の収集や評価、観測された地震動の分析に取り組んでいます。将来発生する地震を想定して予測された地震動分布は、各地の被害の特徴を知ることができる、地震防災対策を考える上で基礎的な情報になります。活断層調査で得られた知見を活かし、岐阜県内で想定される地震動の評価を行います。一般の方に、地域の地震動予測結果を知っていただくことで、地震災害が身近に起こることとして、防災への意識を高めていただくことが期待されます。破砕帯に基づく活断層評価の基礎研究 私は、断層破砕帯における変形構造、変質鉱物、元素組成、物性等から断層破砕帯の発達に伴う変化を明らかにする基礎研究を行っています。本プロジェクトでは主に岐阜県内の活断層を対象として、最近の断層活動に伴う破砕帯の変化から活断層評価の指標作成を進めています。断層破砕帯を対象とすることから地下の断層を対象とすることができる点がこれまでにない視点であり、将来的には地下構造物の活断層評価等への活用が期待されます。活断層調査を活かした地震ハザード・リスク評価 私は、活断層に関する基礎データに基づいて地震動予測と地震ハザード評価を行うとともに、社会基盤施設に関する地震リスク評価に取り組んでいます。本プロジェクトでは、活断層調査により得られる最新の知見を活用して、岐阜県特有の地震環境を踏まえた評価を進めています。日常的に経験することがほとんどない地震に対して、普通の人たちが高い意識を持ち続けるのは難しいことですが、地震ハザード情報を分かり易く解説し、成果を社会還元することを通じて、地震防災対策が広く進められることが期待されます。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究活断層地震の長期評価 私は、長年、活断層の詳細な地図作成に携わりながら、活断層がどこでどのような地震を起こすか、防災・減災として何ができるかを、国内外の活断層を対象に考え続けています。地震の際に断層近傍ではどれほど強く揺れ、被害が生じるのかについては十分にわかっていないのが現状です。知識の限界を十分に踏まえた真摯な検討を行いたいと考えています。

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