�名メンバー小型魚類や培養細胞を使った遺伝子の解析 私は発生遺伝学を専門としていて、小型魚類や培養細胞を使って遺伝子の働きを調べています。これらの実験モデルはハイスループットで実験結果を得ることができるため、バイオ産業につながる複数のアイデアをこれらの実験モデルで試すことで、より有望なアイデアを選別します。専門とするイメージング技術や遺伝子発現解析技術、質量分析技術を駆使してアイデアの科学的基盤を確立します。得られた知見や解析手法はいろいろな研究シーズの検証にも役立ちます。 RESEARCH CONTENT OF MEMBERS82PROJECT No.32KEY WORDSゲノム編集・遺伝子改変/サイバネティクス/シームレス/トランスレーショナル研究/バイオエンジニアリング/バイオ産業/バイオリアクター/マイクロ世界/ミニブタ/ロボット工学名古屋大学大学院生命農学研究科西島 謙一教授応用生物科学部共同獣医学科宮脇 慎吾准教授名古屋大学大学院工学研究科青山 忠義准教授高等研究院髙須 正規准教授糖鎖生命コア研究所糖鎖分子科学研究センター高島 茂雄准教授ゲノム編集により動物のフェノタイプを再現したマウスの作製 私は、これまでに犬のフェノタイプをゲノム編集により再現したマウスを作製してきました。例えば、小型犬の遺伝子多型を再現することで体格が小さくなるマウスや、長毛犬の遺伝子多型を再現することで長毛化したマウスなどが作製できます。これらの再現マウスを使って、犬がどのように育種されてきたのか?小型犬にはどのような獣医学的特性があるのか?を検証しています。本プロジェクトでは犬を含めた様々な動物のフェノタイプをマウスで再現することで、動物のフェノタイプをマウスで調べる研究を展開します。易しいマイクロインジェクションシステムの開発 私は、ロボティクス・メカトロニクスが専門で、そのバイオ医療応用の研究も取り組んでいます。プロジェクトでは、初学者にも易しいマイクロインジェクションシステムの開発を担当しています。このシステムは、熟練者の優れた微細操作の技能を初学者へ繋ぎ微細操作支援を行うもので、初学者であっても熟練者のような高い成功率でマイクロインジェクションを可能とします。この技術により、生物への遺伝子導入などの技術を易しくすることで産業活性が可能になると同時に、ヒトの不妊治療への貢献も期待できます。産業動物におけるバイオエンジニアリング 私は、マイクロミニピッグという世界最小のミニブタの飼育を10年以上つづけてきました。また、ブタやウシといった産業動物におけるバイオエンジニアリング研究をおこなってきました。くわえて、附属動物病院のCTやMRIを用い、マイクロミニピッグを用いた多様な共同研究を行ってきました。このプロジェクトでは、飼育からバイオエンジニアリングまでをカバーするノウハウを活かし、食肉や乳の生産を目的として飼育されてきた産業動物に新たな価値を付加したいと考えています。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究鳥類バイオリソースとゲノム編集 私は、遺伝子改変を目指したニワトリの生殖工学に関する技術開発を進めてきました。最初はウイルスベクター法により、最近では培養が可能となったニワトリの始原生殖細胞を操作することにより、遺伝子導入・ゲノム編集ニワトリの作製を行っています。卵白中に組換え抗体などの有用医薬品を生産したり、ワクチン生産に適した受精卵を供給したりすることができるようになります。また、鳥類バイオサイエンス研究センターでは特徴ある多数のニワトリ・ウズラ系統を維持・提供しています。
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