プロジェクトWEB冊子2025
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�名PROJECT No.31メンバーKEY WORDS78RESEARCH CONTENT OF MEMBERS血液中のがん関連microRNAを用いた再発・治療効果予測バイオマーカーの開発 私は血液中を循環するmicroRNAの中の、がんの発 育・浸 潤・増 殖 に関 わるがん関連microRNAに注目した研究を進 めています。メッセンジャーRNAがタンパクに翻訳 さ れ る 過 程 を 精 密 に 制 御 す るmicroRNAは、組織中のみでなく血液中にも存在します。そのmicroRNAの発現量を評 価することで画 像 診 断では 困 難 な微 細ながんの変化をとらえられるのではないかと考えています。大腸がんにおいて再発を早期に正確に診断できることを発見しており、効率的な治療計画の立案に貢献できることが期待されます。鎌足 雄司深田 真宏がん/ミトコンドリア/代謝/ワーバーグ効果/解糖系/抗がん薬/低分子/タンパク/RNA桑田 一夫徳丸 剛久林 弘賢松橋 延壽助教講師招へい教員副部長特任講師教授糖鎖生命コア研究所糖鎖分子科学研究センター医学部附属病院消化器外科医学部附属病院消化器外科中部国際医療センター乳腺外科医学部附属病院消化器外科大学院医学系研究科外科学講座がん克服社会を実現するための論理的創薬研究 がんの克服に向けた構造生物学に基づく論 理 的 創 薬 研 究を推 進しています。ミクロ( 薬 )とマクロ( 手 術 )の 両 面 からアプローチすることにより、戦略的にがんの克服を目 指します。量 子をキーワードにした次 世 代 手 術 の 理 論 的 研 究 も 行 い ます。Nature Biomedical Engineeringなどに、成 果を多 数公表しています。当 該手 法は、現在治療法のない難病などに対する革新的治療に応用可能です。癌微小環境に影響を与えるエピジェネティック因子の同定及び乳癌における予後と薬物感受性予測のバイオマーカーの同定 現在岐阜大学医学部附属病院の乳腺外科で臨床を行っている傍らで研究では、分子生物学的アプローチやビックデータを用いたトランスレーショナルリサーチを行っている。固形癌における特定のマイクロRNAの細胞増殖に重要なシグナル経路の系統的な制御機構を解明することにより創薬を目指して研究を行ってきた。また、TCGAなどのビックデータを用いて、特定の予後予測マーカーや薬 物 感 受 性マーカーについての研 究や特定のマイクロRN Aや遺 伝子の癌 微 小 環 境 への影 響を検 討して報 告している。腫瘍細胞のエネルギー代謝異常に関する新薬開発 私は、消化器外科を専門とし臨床と研究をおこなって います。腫 瘍 組 織 に お けるWarburg効果にはPTBP�が関与しています。コンピュータ計算を用いてPTBP�の機能阻害を誘導する立体構造の化合物をスクリーニングしています。現在、��種類の化合物を抽出し、実際に有望な効果を認める候補化合物が同定されています本プロジェクトは切除不能・再発癌に対する新たな治療法となり集学的治療法を進歩させる可能性があります。消化器癌におけるグリコカリックスの浸潤転移への関与と臨床的意義に関する研究 外科腫瘍学を研究しています。特に糖タンパクであるグリコカリックス(GCX)が癌の血 管 新 生おおび進 展 に大きく関 与していることを�次元立体構造で世界で初めて報告し評価を得た。特に大腸癌および消化器癌領域において、癌浸潤・転移メカニズム、薬剤における運搬機能メカニズムの解明、さらに新たながん組織由来のGCXを阻害することで、新たな抗癌剤の開発を推進できると考える。この形態評価はわれわれ独 自 の組 織 検 体 保 存 法であり、岐 阜 大 学でしか不可能な研究である。またこの研究においてJ.Cin Med ����で報告しており、消化器癌すべてに応用可能と考えている。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究タンパク質の立体構造および揺らぎの情報に基づいた創薬研究 超高磁場NMRを用いた揺らぎを含めたタンパク質 立 体 構 造 解 析 、反 応 機 構 の 解明 、創 薬 研 究 等 を 行ってきました 。コ ンピュータを用いた構造・相互作用予測、標的タンパク質の調製、構造・分子間相互作用解析、薬剤の評価、作用機構の解明を行います。また、先 端 研 究 設 備で本プロ ジェクト支えます。これらの創 薬 技 術 、先 端 研究 設 備 は 、さまざまな共 同 研 究や社 会 実装が期待できます。

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