�名74KEY WORDSRESEARCH CONTENT OF MEMBERSPROJECT No.30メンバー遠藤 智史平島 一輝がん/抗がん剤/新技術/アカデミア創薬/産学連携/特許戦略/導出/合成展開/岐阜オリジナルライブラリ本田 諒夏目 敦至檜井 栄一山口 英士大学院連合創薬医療情報研究科高等研究院大学院連合創薬医療情報研究科名古屋大学未来社会創造機構准教授特任助教准教授特任教授教授講師岐阜薬科大学薬理学研究室大学院連合創薬医療情報研究科岐阜薬科大学合成薬品製造学研究室がん幹細胞を標的とした革新的な抗がん剤の開発 私 は 幹 細 胞 研 究 が 専 門です。プロ ジェクトでは、難治性のがんに対する革新的な治療法の提供を目的として、「がん幹細胞」を選 択 的 に 阻 害 するモ ダリティを探 索し、細胞とモデル動物を用いてその効果を検証します。がんの親玉である「がん幹細胞」を標的とした創薬という点でユニークであり、これまでに複数の実績があります。特定のがん だ けでは なく、様 々な 難 治 性 がんに応用可能です。光有機合成反応による選択的官能基変換法の開発と応用 私は光有機合成化学による多様性指向合成法の研究が専門で、プロジェクトではシード化合物の最適化を狙った反応開発を担 当しています。私の開 発した光 反 応 は、狙った部位を選択的に官能基化でき、短時間高 効 率で所 望 の 化 合 物 を合 成 可 能です。この基盤技術により、低分子から中分子化合物の官能基変換によりライブラリを構築し、迅 速 なスクリー ニングへ 展 開 可 能 です。本 手 法 は 、その 選 択 性 、官 能 基 受 容 性 の高 さから他 のシード化合物の探索や誘導体化へと応用することも期待できます。ミトコンドリア呼吸鎖複合体I阻害によるがん増殖・転移阻害戦略の開発 私はがん生物学、分子生物学、実験病理学を専門としており、プロジェクトではミトコンドリア呼 吸 鎖 複 合 体 I 阻 害 剤(ペタシン)の研究・開発を担当しています。本剤は、がん特異的なエネルギー代謝を標的としてがんの増殖と転移を抑制することが特徴的です。本剤は、既存化合物と比 べて非常に高い複合体I阻害活性を持っており、in vivoレベルで副作用低くがん増殖と転移を抑制できることから、新しいタイプ の 抗 がん・転移阻害剤として応用が期待されます。RAS阻害剤の開発、細胞膜透過性タンパク質の開発私 はタンパク質 の 構 造 生 物 学 が 専 門で、プロジェクトではKRAS阻害剤(細胞膜透過性タンパク質)の開発を担当しています。本剤は、従来の技術では阻害剤を設計することが難しかったK RA Sを阻 害することができます。本剤は細胞膜透過性タンパク質というモダリティという点でもユニークであり、他 の 創 薬 困 難 標 的 に対する阻 害 剤として応用することも期待できます。阻害剤の作用点と耐性機構の解明 私はがんのゲノム・エピゲノム解析が専門で、プロジェクトではKRAS阻害剤の作用点と耐性機構の解明を担当します。具体的には、単一細胞をDNAバーコードラベルし、��,���種類の単一遺伝子をCRISPR/Cas�ノックアウトし、シングルセルRNAseqやシングル核seqを行います。これまで公表してきた腫瘍塊におけるエクソン、RNA、DNAメチル化、全ゲノム、ヒストン修飾を次世代シークエンス(Nat. Genetics, ����, Cancer Res, ����) を発 展させ、細 胞レベルで発 現 機 構 を解 明できます。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究プロテオスタシス制御による新規がん治療戦略の確立 私は生化学を基軸に構造生物学や計算科学を含めた融合型研究を専門とし、プロジェクトでは、オートファジーなどのプロテオスタシス制御機構の阻害剤の開発を担当しています。これまでに新規の標的分子に対して創 製した 阻 害 剤 は 、抗 がん剤 併 用効果に加えて、独自に樹立した抗がん剤耐性細胞株に対して耐性克服 効 果を有するなど、がんアジュバント薬として良 好 な成績を示しています。本 研 究では、未 だ 解 決法がない抗がん剤耐性化に焦点を当てた治 療 薬の開 発 に貢 献することが期 待できます。
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