�名腫瘍細胞のエネルギー代謝異常に関する新薬開発 私は、消化器外科を専門とし臨床と研究をおこなっています。腫瘍組織におけるWarburg効果にはPTBP�が関与しています。コンピュータ計算を用いてPTBP�の機能阻害を誘導する立体構造の化合物をスクリーニングしています。現在、40種類の化合物を抽出し、実際に有望な効果を認める候補化合物が同定されています本プロジェクトは切除不能・再発癌に対する新たな治療法となり集学的治療法を進歩させる可能性があります。RESEARCH CONTENT OF MEMBERS72PROJECT No.29KEY WORDSがん/ミトコンドリア/代謝/ワーバーグ効果/解糖系/抗がん薬/低分子/タンパク/RNA糖鎖生命コア研究所糖鎖分子科学研究センター鎌足 雄司助教医学部附属病院消化器外科深田 真宏講師医学部附属病院消化器外科桑田 一夫招へい教員医学部附属病院乳腺外科徳丸 剛久特任講師医学部附属病院消化器外科林 弘賢助教大学院医学系研究科外科学講座松橋 延壽教授メンバー血液中のがん関連microRNAを用いた再発・治療効果予測バイオマーカーの開発 私は血液中を循環するmicroRNAの中の、がんの発育・浸潤・増殖に関わるがん関連microRNAに注目した研究を進めています。メッセンジャーRNAがタンパクに翻訳される過程を精密に制御するmicroRNAは、組織中のみでなく血液中にも存在します。そのmicroRNAの発現量を評価することで画像診断では困難な微細ながんの変化をとらえられるのではないかと考えています。大腸がんにおいて再発を早期に正確に診断できることを発見しており、効率的な治療計画の立案に貢献できることが期待されます。がん克服社会を実現するための論理的創薬研究 がんの克服に向けた構造生物学に基づく論理的創薬研究を推進しています。ミクロ(薬)とマクロ(手術)の両面からアプローチすることにより、戦略的にがんの克服を目指します。量子をキーワードにした次世代手術の理論的研究も行います。Nature Biomedical Engineeringなどに、成果を多数公表しています。当該手法は、現在治療法のない難病などに対する革新的治療に応用可能です。癌微小環境に影響を与えるエピジェネティック因子の同定及び乳癌における予後と薬物感受性予測のバイオマーカーの同定 現在岐阜大学医学部附属病院の乳腺外科で臨床を行っている傍らで研究では、分子生物学的アプローチやビックデータを用いたトランスレーショナルリサーチを行っている。固形癌における特定のマイクロRNAの細胞増殖に重要なシグナル経路の系統的な制御機構を解明することにより創薬を目指して研究を行ってきた。また、TCGAなどのビックデータを用いて、特定の予後予測マーカーや薬物感受性マーカーについての研究や特定のマイクロRNAや遺伝子の癌微小環境への影響を検討して報告している。消化器癌におけるグリコカリックスの浸潤転移への関与と臨床的意義に関する研究 外科腫瘍学を研究しています。特に糖タンパクであるグリコカリックス(GCX)が癌の血管新生おおび進展に大きく関与していることを3次元立体構造で世界で初めて報告し評価を得た。特に大腸癌および消化器癌領域において、癌浸潤・転移メカニズム、薬剤における運搬機能メカニズムの解明、さらに新たながん組織由来のGCXを阻害することで、新たな抗癌剤の開発を推進できると考える。この形態評価はわれわれ独自の組織検体保存法であり、岐阜大学でしか不可能な研究である。またこの研究においてJ.Cin Med ����で報告しており、消化器癌すべてに応用可能と考えている。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究タンパク質の立体構造および揺らぎの情報に基づいた創薬研究 超高磁場NMRを用いた揺らぎを含めたタンパク質立体構造解析、反応機構の解明、創薬研究等を行ってきました。コンピュータを用いた構造・相互作用予測、標的タンパク質の調製、構造・分子間相互作用解析、薬剤の評価、作用機構の解明を行います。また、先端研究設備で本プロジェクト支えます。これらの創薬技術、先端研究設備は、さまざまな共同研究や社会実装が期待できます。
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