プロジェクトWEB冊子2025
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�名KEY WORDS66PROJECT No.27メンバーRESEARCH CONTENT OF MEMBERSゲノム編集マウスによるRAS阻害剤の実戦的治療法の検討 私は、これまでに動物やiPS細胞の腫瘍形 成 に 関する研 究 や、マウスの 発 生 学 の研 究 を行ってきました 。現 在 は 、マウスのゲノム編 集により様 々な疾 患の遺 伝 子 変異を再現する研究を展開しています。ゲノム編集はゲノムを�塩基レベルで改変できるため、様々なRAS変異をマウスで再現することができます。そのた め、実 際 の腫 瘍 疾患で認 められる変 異を導 入した実 戦 的 なマウスを使ってRAS阻害剤の効果を検証することができます。その他にも、疾患再現マウスを使った治 療 法の開 発 など社 会 実 装につながる研究を志向しています。小関 道夫宮脇 慎吾RAS/RASオパチー/がん/脈管腫瘍/脈管奇形/脈管異常/モデル動物/治療薬/核酸医薬/タンパク質医薬/オーファンドラッグ平田 暁大上田 浩本田 諒杉戸 信彦大学院連合創薬医療情報研究科大学院医学系研究科臨床解剖開発学講座臨床准教授准教授准教授教授准教授特任助教医学部附属病院小児科応用生物科学部共同獣医学科応用生物科学部共同獣医学科工学部化学・生命工学科、大学院連合創薬医療情報研究科疾患モデル動物の作製と実験病理学的研究 私は動物の疾患を形態学的に解析する獣医病理学が専門です。獣医師として動物の自然発生疾患の診断や研究を行うとともに、疾 患 モ デル 動 物 を用 いた 実 験 病 理 学 的研究を行っています。これまで、様々な遺伝子改変マウスを駆使して、消化管腫瘍の発生機序を解析してきました。生体内でRAS阻害剤の作用機序やRAS関連疾患の病態を解析することで、科学的エビデンスに基づいた治療法の開発につなげます。動物種を問わず解析できることが私の強みであり、最近では動物を飛び出して3次元培養組織の解析も行っています。RASスーパーファミリーGタンパク質の機能制御に関する研究 私はGタンパク質に関する細胞内シグナル伝達制御機構について、細胞レベルで研究を行なってきました。このプロジェクトにおいては、阻 害 剤の開 発を通して、それを利 用した細胞内シグナル解析を行い、RASの未知機 能 に つ いて 解 析 を行 なって いきます。これまでに蓄 積した様 々なシグナル 伝 達関 連 遺 伝 子等を用い、他の細胞内シグナル経路との関係性等を探ることが可能であると同 時 に、それ により新 規 治 療 法 の 開 発 を目指すことができると考えます。RAS阻害剤の開発、細胞膜透過性タンパク質の開発 私はタンパク質の構造生物学が専門で、プ ロ ジェクトでは R A S 阻 害 剤( 細 胞 膜 透過性タンパク質)の開発を主に担当しています。私 の 開 発した R A S 阻 害 剤 は 培 養 細胞モデル・マウスモデルいずれでもRASを阻害することができ、現在実用化に向けた改良研究を行っています。また、NMRなどの生 物 物 理 学 的 手 法を用いてR A Sタンパク質の構造解析を行うこともできます。核酸によるRAS阻害剤の開発とRASの機能解析  私 は がん生 物 学 、分 子 生 物 学 を専 門として、microRNAの抗がん効果を研究しています。プロジェクトでは、核酸によるRAS阻害剤の開発を目指し、培養細胞モデル、マウスモデルにおいて、生化学的な解析を用いて検証します。核酸によるRNA干渉を用いることで、従 来の標 的であったタンパクではなく、mRNAの翻訳を阻害することできるために、これまでとは別の視点から創薬を考えることができます。これまでにも希少腫瘍へのmicroRNAの抗がん効果の検証を行なった実績もあります。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究脈管異常に対する分子標的治療薬の開発 私は小児腫瘍治療を専門とする小児科医で、特に難治性脈管異常に対する分子標的治療薬の開発として、AMED等の研究費を獲 得し、複数の医師主導治験、臨床研究の研究責任者として、実用化を進めています。また以 前より東 北 大 学 遺 伝 病 学 教 室との共同研究にてRAS経路を中 心とした遺 伝子解析やモデルマウスを用いた病態解明に取り組んでおります。本疾患は外科的治療が主流でしたが、分子標的薬での治療は病態を直接抑え、これまでの治療を遥かに凌ぐ効果が期待され、まさに治療のパラダイムシフトに直結する研究を目指しています。

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