�名KEY WORDS46PROJECT No.19メンバーRESEARCH CONTENT OF MEMBERSストレスが大腸運動に及ぼす影響 私は、生理学的な実験のみならず、分子生物学的な実験も得意としています。ストレス が 大 腸 運 動 に 及 ぼす 影 響 の 解 明 を担 当します。特に、ストレスに応答する脳部位を特定し、大腸からの情報入力に関係する神経路と大腸運動を調節するための神経経路の両方に着目して、全体像を解明します。これがわかると、大腸の異常と他の臓器や脳の異 常 が同 時に発 生するメカニズムがわかるはずです。ストレスがこのような神経経 路 に影 響 を与える様 子 を捉えることが目標です。任 書晃椎名 貴彦過 敏 性 腸 症 候 群(I B S)/ストレス/ 下 痢・便 秘 / 痛 覚 過 敏 / Q O L / 過 活 動 膀 胱 / 膀 胱 炎 / 睡 眠 障 害 /うつ/聴 覚・前 庭 覚 / 獣 医 / オーダーメイド医 療 / 大 腸 運 動 / 医 薬 獣 連 携海野 年弘志水 泰武鬼頭 克也五十里 彰教授教授教授教授名誉教授教授大学院医学系研究科生命原理学講座応用生物科学部共同獣医学科応用生物科学部共同獣医学科応用生物科学部共同獣医学科応用生物科学部岐阜薬科大学生化学研究室膀胱の機能障害が大腸運動に与える影響 私 は 、膀 胱 、子 宮 、消 化 管 、血 管 などを構成する平滑筋の機能を研究しています。このプ ロ ジェクトでは 炎 症 による膀 胱 の排 尿障 害を発生させたときに大 腸運 動がどのように 変 化するか、逆 に 大 腸 に 痛 覚過 敏 が発 生したときに膀 胱の機 能 がどのような 影 響 を受 けるかという実 験 を分 担します。下痢と排尿障害は全く別の臓器で起こる別の疾病ですが、これらに因果関係のあることが解 明できれ ば独 創 的 な成 果となります。将来的には、IBSの患者に膀胱に作用する薬を使うことがあるかも知れません。痛みの制御系と大腸運動の制御機構のクロストーク 私 は 、痛 みを制 御する下 行 性 疼 痛 抑 制系と脊 髄 を中 枢として機 能する大 腸 運 動制御系の連動を研究しています。このプロジェクトでは、睡 眠 障 害や膀 胱 炎によって下 行 性 疼 痛 抑 制 経 路 が影 響を受 け、結 果的に大 腸 運 動が乱 れるという仮 説を検 証することを担 当します。痛 覚 過 敏 と排 便異 常 が 連 動 するという発 想 は 独 創 的 なポイントとなります。ストレスに関 連する疾病は、まさにオーダーメイド医療の対象であると思いますので、新しい治療法の提案につなげたいです。ストレス関連疾患を緩和する動物介在療法の基礎構築 私は、獣医寄生虫学研究室で血液凝固に関する研究をする一方で、附属動物病院で臨 床 獣 医 師 として 勤 務しています。伴 侶動物と接するとオキシトシンの分泌が高まり、ストレスが緩和されことが知られています。このプロ ジェクトでは 、将 来 的 にストレス関連疾患を緩和する動物介在療法を確立するための基礎として、オキシトシンのストレス応答に対する作用の解明を分担します。ペットと見つ め 合うことで、I B S の 症 状 を緩 和し、QOLを向上させることが将来的な目標となります。膜輸送の障害に起因する消化管運動異常の機序解明 私 は 、消 化 管や尿 細 管 における膜 輸 送体の機能、発現、局在の異常機構を調 べ、様々な疾病に対する新しい診断・治療法の開発に取り組んでいます。このプロジェクトでは、膜輸送の障害に起因する消化管機能異 常 のモデル により、消 化 管 機 能 と膀 胱機能、あるいは消化管機能と脳機能の相関を分析します。また、ストレス関連疾患を緩和するための治療標的の同定と治療薬の開発も視野に入れます。特徴的な医薬獣連携研究の中核として取り組みたいと考えています。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究聴覚・平衡覚の仕組みの解明とその臨床医学的応用法の開発 私は、内耳を末梢器官とする�つの感覚、聴覚・平衡覚の電気生理学・生物物理学的研究を専門としています。プロジェクトでは、脳や自律神経機能を修飾できる両感覚の仕 組 みに依 拠して、音や加 速 度(重 力)に着 目した新しい治 療 法の開 発 を担 当しています。音や加速度は、非侵襲的に感覚刺激を行 えることから、早 期 の 臨 床 応 用 が 期 待で きる 刺 激 法 です。研 究 で は 、主 に 実 験動 物 を対 象 に生 体 計 測を実 行し、消 化 管機 能 不 全 の 症 状 緩 和 に 繋 がる効 果 的 な刺激方法を探索します。
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