�名メンバー野生動物の自然史および資源利用に関する研究 私は野生動物、特に哺乳類を対象とし、これまでに日本各地・海外で哺乳類を捕獲し、分類・種分化・生物地理に関する研究や鳥獣対策に必要な捕獲罠や罠作動通知システムの開発・商品化を行ってきました。また地元住民による自衛的捕獲体制や捕獲個体の地域資源化体制の構築を図る人材育成も行ってきました。ジビエ解体処理施設を野生鳥獣のモニタリングステーションとして、恒常的なサンプリングを県内解体処理施設と連携し、収集・分析体制の構築を図っています。RESEARCH CONTENT OF MEMBERS130PROJECT No.53KEY WORDS生物多様性/遺伝的多様性/野生動物/生物相/遺伝的集団構造/分布/GIS/絶滅危惧種/動物園/水族館/地域資源/在来遺伝子資源/レッドリスト/保全/系統保存/外来種対策/遺伝的攪乱/普及啓発地域科学部地域政策学科向井 貴彦教授社会システム経営学環奥岡 桂次郎准教授応用生物科学部生産環境科学課程応用生物科学部野生動物管理学研究センター楠田 哲士教授社会システム経営学環森部 絢嗣准教授地理空間情報を利用した自然資源マッピング 私は、環境システム工学、産業エコロジーに関わる物質ストックの研究分野において、資源循環に関わるデータベース構築・研究をしてきました。誰もが利用可能な空間情報の整備が社会で進む中で、ユーザーの積極的な資源利用を促進するために、自然資本・社会資本の蓄積を見える化する双方向のデータ整備に向けたつながりの構築を図ります。希少野生生物の繁殖生理と保全繁殖技術に関する研究、保全普及活動 全国の動物園・水族館や岐阜県内の自治体・高校などと連携し、絶滅危惧野生生物の繁殖生理生態に関する研究や生息域外保全・保全普及に資する活動を行ってきました。平成29年度に岐阜大学の助成を受けて「動物園生物学研究センター」を設立し、学生を交えた教育研究活動を行っています。本プロジェクトでは、主に飛騨地方のライチョウや美濃地方のニホンイシガメの保全、外来種拡大の実態把握に取り組みます。岐阜県庁や岐阜市役所の環境部署と情報共有しながら、県内の希少野生生物の保全体制の構築を図っています。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究魚類・両生類・爬虫類の生物地理と保全に関する研究、地域社会への普及啓発 私はDNA解析などの手法を用いて野生生物の地理的変異と種分化のプロセスについて研究してきました。しかし、それは一方で近年の人為的な影響で生物の多様性が失われていく過程を見続けることにもなりました。そこで、私は野生生物の研究とその成果の普及によって、岐阜県内の地域ごとに自然が異なることや、それぞれの地域の自然が持つ魅力を資源として活用するための意識を広めていきたいと考えています。これまでにも複数の自治体と活動しており、そうした連携を広げることも検討しています。
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