地域創生プロジェクト
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�名樹木形成機構の解明と木質バイオマスの応用研究 一貫してリグニンの化学構造解明や化学的有効利用の道を探求している。樹木の主要成分の一つであるリグニンの生合成新規経路を、世界に先駆けて提唱した。さらに水溶性のリグニン前駆物質のケミカルマッピング(細胞レベルで化合物の局在を可視化)を可能にした。基礎から応用まで国内外で高い評価を得る研究を展開しており、関連分野で多くの業績を残している。これまでの研究を通した豊富な経験と幅広い人脈を活かし、本プロジェクトでは木材の化学利用を推進する。RESEARCH CONTENT OF MEMBERS128PROJECT No.52KEY WORDSメディカルアロマ/コスメ/産業廃棄物/食品/木材/エッシェンシャルオイル/生物活性/活性成分/作用機序/SDGs応用生物科学部応用生命科学課程山内 恒生准教授糖鎖生命コア研究所糖鎖分子科学研究センター鎌足 雄司助教大学院連合農学研究科光永 徹特任教授応用生物科学部応用生命科学課程島田 昌也准教授名古屋大学大学院生命農学研究科福島 和彦教授応用生物科学部応用生命科学課程鈴木 史朗准教授メンバータンパク質の立体構造および揺らぎの情報に基づいた創薬研究 超高磁場NMRを用いた揺らぎを含めたタンパク質立体構造解析、反応機構の解明、創薬研究等を行ってきた。本プロジェクトでは、未利用産業廃棄物に含まれる有効成分の生物活性メカニズムを分子レベルで明らかにする。構造生物学を用いて、天然由来成分の生物活性機序を解明することで、生物活性の科学的なエビデンスを示す基礎知見を得る。先端研究設備で本プロジェクト支える。木材精油を用いたメディカルアロマセラピーに関する研究 メディカルアロマセラピーの先駆的な研究者である。主にヨーロッパで取り入れられている、メディカルアロマセラピーという概念を国内に取り入れ、木材精油香気成分の動物への生理機能を調査してきた。木材会社との長年の共同研究により、岐阜県産樹木精油の抗ストレス作用、抗うつ作用などの生理機能を明らかにしてきた。本プロジェクトでは木材の産業廃棄物から、精油の抽出と、動物実験の計画、実施を担当する。実験動物を用いた食品成分の代謝疾患制御機構の解明 実験動物を用いて、栄養素・食品成分による糖尿病、脂質代謝異常、脂肪肝などの代謝性疾患の制御機構を研究しており、多数の論文執筆を含む顕著な業績を残してきた。動物実験の専門家として、これまでにメディカルアロマセラピーに関する実験においても有用な助言を行ってきた。本プロジェクトにおいても、動物の飼育や行動試験、解剖などを担当し、助言を行う。木質バイオマスの生合成機構の解明 地球上に最も多く存在する生物資源である木質バイオマスの専門家である。木質バイオマスの内未だに多くの謎が残るヘミセルロースとリグニンの生合成機構の解明と、応用研究を行っており、関連研究において顕著な業績を残している。基礎研究を進める一方、企業との共同研究も進めており、本プロジェクトに関して木材利用の面で参画する。プロジェクトメンバーが取り組んでいる研究天然由来生物活性成分の探索と分子メカニズムの解明 プロジェクトリーダーとして本事業の提案と統括を行う。分析化学、有機化学、分子生物学、構造生物学など多分野の技術を取り入れることにより、ポリフェノールを含む天然成分の作用メカニズムを明らかにしている。特に天然物化学にNMRを用いた構造生物学を取り入れて、天然成分の生体への影響を分子レベルで明らかにする例はなく、本分野で先駆的と言える。本プロジェクト領域の他にも、機能性食品に関わる共同研究を進めており、本分野においても社会実装が期待できる。

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